絵を描いていると
「筆が気づいたらカチカチになっていた…」なんて経験、皆さんもよくあると思います。
筆は絵を描いていると、だんだんと固くなっていき、最終的には根本はカチカチ、先は割れて描きにくい!となってしまいます。
これは、仕方のないこと。
筆は、消耗品なので、大切にしていても、必ず最後は使いにくくなってしまいます。
でも、適切にメンテナンスをして使うと、筆の筆を快適に使える期間をかなり伸ばすことができます。今回はそんな絵筆のメンテナンス方法をお伝えします。
あとは、「ヤバい !固まっちゃった!」という時の対処法も解説するので、いざという時の方法としてこちらも参考にしてみてください✨
【知っておこう!】なぜ筆はカチカチに固まってしまうのか?
まず、どうして筆はカチカチに固まってしまうのかを簡単にご説明します。
それは、筆を洗った時、絵具を洗い流しきれていなくて固まってしまうから。

洗い残した絵具が固まって、また洗い残した絵具が固まって、絵を描くたびにこれが繰り返されることによって、どんどん筆が硬くなってしまうわけです。

特に、毛が密集している根元に絵の具がたまりやすく、だんだんと根元の方から硬くなっていき、それによって筆の胴体が膨らんでいく。そして最終的に筆先が割れてしまうということが起こります。
なので、絵具を毎回、できるだけ洗い残しがないようにメンテナンスすることが筆を長持ちさせるコツになります。
おえかきすずめなるほど。だから割れるのか。。
1. 丁寧に洗って、適切に乾かすことが大切


筆を長持ちさせるためにぼくが意識していること、それは
・毎回丁寧に洗う
・寝かすor下を向けて乾かす
これだけです。
特にポイントなのは洗い方。ここからは「丁寧に洗う」とはどういうことなのか、洗い方のポイントを解説していきます。
3. 筆を綺麗に洗う「3つのステップ」
これは、ぼくが大学時代の教授に教わった方法で、現在もアトリエで制作を終えたあとに行っている、筆の洗い方になります。かなり綺麗に絵具が落ちるので、ぜひ試してみてください。
①絵具をぬぐう
ティッシュや布などで絵具を拭き取ります。
(水道に絵具を直接流すはよろしくないので)


②筆洗器で洗う
筆は専用の筆洗機で洗うのがおすすめです。理由は、洗うための部屋が3〜4つに分かれているから。ぼくは、画像のようなイメージで、①〜③と3段階に分けて洗っています。ちなみに真ん中は、絵具に混ぜるときに使う「綺麗な水」です。こうすると、混色で色が濁らず、筆洗機の水を変える頻度も減らすことができます。


筆を水洗いしたら、まずは第一段階終了です。絵を描いている最中はこれでOK。でも、これだけだとまだ筆の根本に絵の具が残っている状態です。絵を描き終わって、最後にメンテナンスをする場合は次の工程に進み、根本に残った絵具をしっかり落としてあげることを意識して洗います。


③手のひらでワシャワシャ
最後の片付けをするときは、できれば石鹸をつけて今日ついた絵具の汚れを落としてあげましょう。まずは手のひらの上で筆をワシャワシャとさせる感じで洗います。色水が出なくなるまで続けましょう。小さな筆は1回で、刷毛は2〜3回繰り返すと色が出なくなります。


④筆先をつまんで押すように洗う
次に筆先をつまんで押し、根本を膨らませるようにしながらもう一度石鹸で洗います。筆洗いは、ここが一番のポイントです。この工程で筆の中に溜まった絵具をしっかり洗い流します。


筆の先をつまんで少し押すように左右に動かしながら、中の絵の具を取っていきます。毛と毛の間に空間ができることによって、その間に詰まった絵の具を洗い流すことができます。
これで洗いの工程は終了です。
洗い終わった筆は手で整えてあげましょう




ちなみにぼくは、筆専用の櫛を使って整えています。指で整えるのでも十分なのですが、櫛を使うと、より綺麗に毛並みが整うので、次使うときに、筆が綺麗にまとまっていて快適に描画に入れます✨(フォロワー様にギフトでいただきました。ありがとうございます!大切に使わせていただいています!)




④寝かすor吊るして乾燥
最後に毛先を整えて筆を寝かすもしくは吊るす場所があれば筆先を下にして吊るして乾燥をさせます。




吊るす方が、もしも洗い残しがあった場合でも、絵具が根本に残りにくいのでおすすめではありますが乾かす場所や洗濯バサミなどが必要になります。僕は吊るして乾燥させることが多いですが、寝かせて乾かすのでも十分だし、楽だと思います。
この方法で絵を描き終わった後の筆を洗ってあげると、かなり使いやすい状態を保ったまま長期間描き続けることができると思います。
「道具は大切に扱わないとね。ほっほっほ。」
と教えてくださった恩師に感謝です🤲
ぜひ、毎日の筆洗いルーティーンにしてみてください!



さっそく今日からやってみようっと!
【救済策】もし固まっちゃった!という時は…
ただ、どれだけ気をつけていても、疲れ果ててそのまま寝てしまい、翌朝固まった筆を見て絶望することもあります。あの時は、なんと切なく、そして自分を責めることか。。😭
そんな時でも、ある程度まで筆を復活させる方法があります。使うのは「アクアマジック」というクリーナーです。


筆復活のやり方は
- 筆を濡らして、軽く予洗いする。
- 「アクアマジック」を筆の根元まで染み込ませる。
- ラップでくるんで10分放置
- その後、石鹸で根元を念入りに揉み洗いする。
1回では完全には綺麗になりませんが、2〜3回繰り返すと、しなやかさを取り戻すことが多いです。
筆のクリーナーって、洗浄力が強すぎて毛先を痛めてしまうものも結構多いんですけど、このアクアマジックは植物性のものを使っていて、筆をつけて放置しても体感的にかなり痛みにくい印象です。確実ではありませんが、ケミカルなのいのする強力な画材用の洗浄液よりも優しいと思います。(それはそれで、用途があるのですが)
アクリル絵具はもちろん、油絵具も固まりたてだったらある程度落ちる印象です。
お気に入りの筆を諦めたくない時にぜひ使ってみてください。
コラム:制作中も筆は寝かせよう
ちなみに、制作中も筆は洗った後、水につけておくのではなく、必ず筆洗器の上に寝かせています。筆洗器の中に入れておくと、筆の先端が曲がって、描きにくくなってしまうためです。「なぜか筆先が曲がってる」という方は、これが原因のこともあるかもしれません。


4. できれば毎回、少なくとも数回に1回
今回ご説明したメンテナンス方法は、できれば毎回のルーティーンにするのが理想です。ただ、制作した後に洗うのって結構面倒なんですよね。その気持ちはすごくよくわかります。仕事で疲れて帰ってきた後に絵を描くとかだったら尚更だと思います。
その場合は、数回に1回のスペシャルケアでもいいと思います。
とにかく、絵具を根本まで落とす洗い方を習慣にしてあげてほしいな、と思います。
筆は絵描きにとって腕の延長です。手入れの行き届いた筆の方が、扱いやすくイメージ通りに絵が描けるもの。
何より、これがないと絵が描けないわけですから、感謝の気持ちを込めてメンテナンスをしてあげてほしいな、と思います。(これは筆に限らず、すべての道具に対して言えることだと思います。)
5. まとめ:筆は大切なパートナー


今回は、筆のメンテナンス方法をお伝えしました!
画材のメンテナンスは、単なる片付けではありません。次の作品をより美しく描くための、次回へ向けた準備であると思います。道具を丁寧に扱うその手から、きっと素敵な絵が生まれていきます。
大切な相棒である筆をしっかりケアして、長く、大切に寄り添ってあげてくださいね。
それでは、素敵な制作ライフを!
今日紹介した画材たち
画家 TAKUYA YONEZAWA
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アクリル画について基礎から応用まで学べる技法書。知識と経験をフル活用して書きました!
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