絵具って、どうやってできているか考えたことはありますか? 今はチューブから出した瞬間に「完成品」として手に入るので、あまり意識することはないかもしれません。
でも、この仕組みを知っているだけで、画材への理解はぐっと深まります!
今日は絵具はどうやってできているか、
その上でオリジナルの絵具の作り方について学んでみましょう!
絵具の正体は、色の粒と糊
絵具がどういう風にできているかというと、
実は驚くほどシンプルです。
それは「顔料」と呼ばれる色の粒と、「バインダー」と呼ばれる糊(のり)の組み合わせ。

画用紙に色の粉を置いても、風が吹いたら飛んでっちゃいますよね。だから、くっつける必要があるわけです。
油絵具もアクリルも、水彩も日本画も、糊剤(バインダー)が違うだけで基本的にはすべてこの仕組みでできています。
ちなみにバインダーが
油(乾性油)なら 油絵具
アクリル樹脂なら アクリル絵具
アラビアゴムなら 水彩絵具
という感じで、〇〇絵具の違いは、バインダーの違いということになるんです。
種類はいろいろありますが、根っこにある仕組みはどれも同じなんですね。
ね、シンプルでしょ?
おえかきすずめ基本は変わらないんだ!
オリジナル絵具という可能性


この仕組みを知っていると、表現にさまざまな応用を効かせることができます。
具体的には、自分だけのオリジナル絵具を自作して、作品に取り入れることも可能になるんです。
理屈は先ほどお伝えした通り、色の粉と、それを固める糊があればいい。 自分の描きたい絵の種類に合わせてバインダーを選び、そこに好きな素材を混ぜる。
そうすることで、自分だけのオリジナル絵具が作れます。 これって、すごくワクワクすることだと思いませんか?
絵具をカスタマイズするって、楽しいよ!


例えば、色の粉である「顔料」の濃度を自分で調節してみる。
チューブの絵具は顔料の割合が決まっていますが、自作ならもっと濃厚に仕立てることもできます。


こんな感じで、小瓶に入って売っています。
Amazonなどでも購入可能▼
この顔料をバインダー、もしくは市販の絵具と混ぜて使うことで、通常の絵具よりも力強い発色を狙ったり、色や質感を変化させたりすることができます。
あるいは、メーカーが販売している「マチエール」と呼ばれる素材を混ぜるのも一つの手です。
ザラザラした砂のような質感や、透明なビーズのような輝き。 「色」に「質感」をプラスすることで、
既製品には出せない豊かな表情が生まれます。
<例>
・サンドマチエール大粒(クサカベ)
・サンドマチエール小粒(文房堂)
コラム:本気で絵具を自作しようと思うと結構大変!
学生時代、画材メーカーの講習会で絵具を自作したことがあります。
この時は、古くから行なわれている油絵の具の作り方を体験してみよう!という趣旨でした。
作ったのは油絵具だったのですが、顔料と乾性油をガラス板とガラス棒でひたすら練りまくりました。粒子が均等になって、適度な粘性が出るまで練り続けて、完成まで多分1時間くらいかかったと記憶しています。
それでも、メーカーさんが出しているチューブ絵具よりはサラサラとした絵具になりました。チューブ絵具のありがたみを感じた経験でした。
でも、自分でつくった絵具ってめっちゃ愛着湧いたなぁ。


安全性は超大事。作家としての信頼性に関わるところだよ。


既製品を使う以外にも、鉛筆の粉や木くず、ときには卵の殻など、身近なものを混ぜて実験的に絵の具を作ることも可能です。以前の実験的なこともよく行っていました。
ただ、現在はそうした方法はあまり行ってないし、正直あまりおすすめしていません。
というのも、数年経ったときに色が剥がれたり、黄ばんだり、カビが生えたりといった劣化が起こる可能性があるからです。 安全性の検証ができていない素材を使うのは、少しリスクが高いなと感じています。
実験は表現の可能性を広げてくれるのですごく大切ですが、自分の手元に置いておくだけならいいですが、誰かの手に渡ったあとに劣化が始まっては、もう対処ができません。



安全第一で創作を楽しまなきゃね。
と考えて制作していたら、結局メーカーが販売している素材に行き着いていました。
多少値段はしますがメーカーが検証を重ねて「安全」と太鼓判を押した素材を使うことは、作品の質を守る責任でもあると思うのです。
とはいえ作風によっては、欲しい質感の素材がメーカー販売品にないことも多々あると思うので、やるなら徹底的に「使って大丈夫な素材かどうか」を検証した上で使用するようにしましょう。
基本を大切に、絵具カスタマイズを楽しもう!


まとめになりますが、絵の具は顔料とバインダーによってできています。
まずはこの基本を覚えておきましょう。
絵の具の仕組みっていうがわかると、チューブから出したままの色で楽しむというだけではなく、顔料やマチエールを混ぜた絵具を作って自分の好みにカスタマイズしながら制作することも可能になります。
ただし、基本的には販売されているものを使って、安全性にはしっかりと目を向けて制作をしてみましょう!
今回は以上です
ぜひ安全には最大限配慮しながら研究実験をして、あなただけの作品を生み出してみてください。
お読みいただきありがとうございました!
素敵な制作ライフを!
画家 TAKUYA YONEZAWA
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